私は一応二級建築士を所持しているものの仕事ではほぼ使わないマンなので、たまには勉強がてら建築基準法を復習したくなりました。

本日ちょうどいいネタがSNSで話題になっていたので、今回は武蔵小金井駅前にそびえ立つツインタワーマンション『プラウドタワー武蔵小金井クロスの欠陥ニュースをネタにしてみます。

細心の注意を払って書きましたが、万が一ミスがあった場合はどうか教えてくださいね。

武蔵小金井(ムサコ)駅前のタワマンが欠陥だった件概要

発端は2021年6月18号の雑誌FRIDAYで、こんな見出しが出たことからスタート。

【「設計図と違う!」耐火、防水、防音設備に重大な欠陥があることが次々に判明 野村不動産「超高級タワマン」の手抜き工事に購入者が大激怒】

雑誌記事のタイトルって「長いな~よく思いつくな~」と感心しながら記事を拝読。状況は理解しました。ちなみにdマガジン利用者は、dマガジンで本文を全て読めます。

ちなみにヤフーニュースでも取り上げられていました。

ディベロッパーが野村不動産、施工会社が清水建設と名だたる二大大企業ということで、安心して購入された方は多かったのではと予想します。

ディベロッパーとは大規模な宅地造成を行う開発業者、施工会社とは実際工事をする業者のこと。

検査して発覚した欠陥箇所は主に「防音設備」「耐火設備」「耐水設備」

施工不良を見つけたのは民間検査会社『日本建築検査研究所』で調査担当をした建築検査士の岩山健一さん。

彼曰く主に「防音設備」「耐火設備」「耐水設備」の3つの欠陥が確認できたといいます。

この3つの欠陥のうち、防音設備の部分はやっかいかもしれません。「耐火設備」「耐水設備」は内装部分なので、最悪一軒ずつお邪魔して直せばOKですが、防音設備の修繕箇所は内装ではなく構造部分の欠陥だからです。

全棟直すとしたら結構大掛かりな修繕になりそうですね。施工会社は今頃下請け業者とああでもないこうでもないと審議を重ねているのではないでしょうか。

防音設備の欠陥

上下階の間にある二重床の支持脚(階を持ち上げるための脚)に遮音性のゴムが使われていない箇所が発見されました

野村不動産 「超高級タワマン」のトラブルに購入者が大激怒

施工時、設計図面通りに事が進められないパターンはよくあります。原因は設計者のミスや材料選定のミス、現場での作業ミス、などいろいろです。

設計図と施工内容に違いがある場合、発注者・施工業者・下請業者の間でちゃんと取り決めをしているのなら問題ありません。

この建築検査士の言い分を聞く限りでは、設計図と施工内容が異なっていることから、設計者と施工者間で何も取り決めていないようですね。施工業者側(清水建設)の意見を聞きたいところです。

建築基準法に関わる部分「耐火設備」の施工ミス

日本は火災事故が起きるたびに建築基準法が厳しくなっていきました。結果、防火・耐火に関する項目は厳しく取り決められています。

耐火設備の部分を疎かにしたのはまずいですね。調査を担当された建築検査士の方も記事の中で怒りをあらわにしています。

とくに法令基準を満たしていない耐火設備に関しては、目視で確認できない部分があります。

全戸に付いているメーターボックス内に使う石膏ボード貼り方に問題がありました。石膏ボードを貼り付ける際に打つタッカー(留め金)の間隔が、国土交通大臣が定める基準を満たしていませんでした。

野村不動産 「超高級タワマン」のトラブルに購入者が大激怒

微々たる修繕内容ですが、耐火設備の部分は建築基準法違反ですので責められても仕方ありませんね。

具体的にどう違反しているのかを見てみましょう。

プラウドタワー武蔵小金井クロスが位置する場所の都市情報は以下の通りです。(参考:東京都都市整備局)

  • 用途種別:商業地域
  • 建ぺい率:80%
  • 容積率:500%
  • 防火地域

プラウドタワー武蔵小金井クロスは防火地域であり、主要構造部分は木材禁止とされています。

駅前で人が密集する場所ですから、火災に関する取り決めは住宅街より厳しいのです。

第五節 防火地域及び準防火地域 (防火地域及び準防火地域内の建築物)

第六十一条 防火地域又は準防火地域内にある建築物は、その外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に防火戸その他の政令で定める防火設備を設け、かつ、壁、柱、床その他の建築物の部分及び当該防火設備を通常の火災による周囲への延焼を防止するためにこれらに必要とされる性能に関して防火地域及び準防火地域の別並びに建築物の規模に応じて政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものとしなければならない。

建築基準法 第六十一条より

たかが留め金の間隔ミスですが、国交省の認定がないと違反です。これは施工業者の作業ミスかもしれませんね……違反なので粛々と直していくしかないでしょうね。

内容的にはミスは留め金の間隔が違うだけなので、防音設備よりは修繕しやすいかなと予想します。

先ほどプラウドタワー武蔵小金井クロスの公式ページを見てみましたが、これだけ週刊誌にすっぱ抜かれても未だに販売しているんですね。

売れ残っているんだと思いますが、この状況で定価で購入する人いるんでしょうか?

もっとお安く売りだせば小金持ちが寄って来そうです。第三者としては今後の成り行きが楽しみですね。

武蔵小金井ってどんなとこ?

昔武蔵小金井付近に住んでいた者として、これから武蔵小金井について知りたい人向けにお伝えします。

高架する前の武蔵小金井駅前やお隣の東小金井駅前は、車やバスの渋滞がひどく、小泉純一郎総理大臣時代に「開かずの間」とまで名指しされていた場所です。


武蔵小金井駅の北口はぱっとしない商店街と西友、長崎屋(現:ドンキ)が立ち並び、南口は古い住宅街やパチンコ店、商店街が駅前を占領していました。

現プラウドタワー武蔵小金井クロスの部分は南口に位置し、古臭い住宅やパチンコ店が並ぶ場所でした。まさかあのうす暗い場所がタワマンに様変わりするとは思いませんでしたが……


プラウドタワー武蔵小金井は武蔵小金井を始発電車のある駅と宣伝していますが、現武蔵小金井駅の利便性は微妙なところです。

平日の武蔵小金井駅の時刻表を見てみましょう。(2021年6月15日現在)

肝心の7時台に始発電車が一本もないのはちょっと……。ぶっちゃけ詐〇なのではwww

いくらタワマンといっても全員が全員フリーランスではないでしょうし、会社勤めの方もいます。

駅前再開発のおかげで有名になった武蔵小金井の乗降者数は年々微増し、始発電車で椅子取り合戦しに行くわけですから、中々うまくかないでしょうね。

この状態を見て武蔵小金井のタワマンに住みたいですか?

もう一つ懸念事項があります。万が一武蔵小金井駅付近で人身事故が起きた場合、他線路へ気軽に乗り換えできません。

京王線の最寄り駅が調布駅、西武新宿線の最寄り駅が花小金井ですが、この2駅は歩いていけません。バスで20分~30分くらいかかります。

公道の混雑は時間帯によってまちまちで予想しずらいのが難点。人身事故に巻き込まれたら下手に動かない方がいいでしょう。

まとめ

お隣の国分寺駅前は坂道が多く開発には適さないから武蔵小金井に目を付けたんだろうなあと元地元民は予想します。

東京都民としてはこれ以上人が増えてほしくありません。交通機関がマヒするし疲れるからです。

下手にディベロッパーが開発をしないでくれると、東京は住みやすくなってありがたいんですけどね。