【鉄腕アトム】エンタメ業界におけるメディアミックスの効果と今後の見通し【鬼滅の刃】#メディアミックス

2020年、誰もが一度は目にしたであろう作品の一つに「鬼滅の刃」がある。原作は、週刊少年ジャンプに連載していた漫画だ。

事前に一定の評価を受けていた影響もあり、アニメが放映開始。その後舞台化や本編未回収エピソードのライトノベル化など、さまざまな媒体で認知度を広めていった。

このように原作から派生させ、さまざまなメディアに多数の商品を提供してファン層を拡大していく手法をメディアミックスという。

今日の日本では当たり前に行われている戦略の一つであり、過去には「シュタインズ・ゲート」、最近では「ウマ娘」などが成功例として挙げられる。

消費者側としても、認知度の高い作品であればあるほど一種の安心感を得られ、コミュニケーションの一つとして利用できることもあり、提供側の企業とWin- Winの関係になりやすい

今回は、エンタメ業界におけるメディアミックス戦略の効果及び今後の見通しについて考察していく。

メディアミックスの概要

メディアミックスの元となる商品は、漫画やライトノベル、ゲームが選ばれる傾向にある。

しかしこの3つのジャンルは、“消費者(ファン層)=ニッチなオタク”が既に手を付けている可能性が高い。

よってメディアミックスの戦略では、自ら作品を漁(あさ)るような能動的で目の肥えた層を取り組むよりも、「作品名は聞いたことがあるけれどきっかけがないと見る気になれない」と感じる“にわか層”や、そもそもその作品自体にまったく興味がない“一般層”を狙い、認知度を高めることが成功を収める上で大切だ。

2020年、「鬼滅の刃」は劇場公開を果たし、ステイホーム推奨期間の中400億に近い興行収入を記録した。

ジブリ作品「千と千尋の神隠し」の興行収入はリバイバル上映も含めて316億前後だった。大成功を通り越して、2020年の映画界の救世主だった。

これほどまでに人を惹(ひ)きつけるためには何が必要なのか? その質問に対する答えとしては、キャラクターの魅力をふんだんに利用した“知的財産”の商品化が挙げられる。

「鬼滅の刃」で例えると、煉獄杏寿郎や竈門炭治郎のような人気キャラは、“客寄せパンダ”となる。

実際、街中を見渡せば、あらゆる企業とのコラボで生まれた「鬼滅の刃」のキャラクターを目にすることができる。

例えばコンビニを陳列されている商品としては限定数量くじやお菓子、限定コラボの缶コーヒーなどが挙げられる。

どの商品も手に取りやすい陳列の工夫がなされ、キャラクターが前面に出されている。

全国各地で客寄せパンダとなるキャラクターを使うことによって、情報が広く行き渡り、作品への誘導もしやすくなる。

メディアミックスの効果

マーケティング・リサーチ会社、株式会社矢野経済研究所による調査に「キャラクタービジネスに関する調査を実施」(2020年)が公開されている。

その中でキャラクターを利用したビジネスの市場規模とその動向に関する調査結果が報告されているので、一部引用する。

キャラクタービジネス市場は商品化権と版権とで構成され、2019年度の商品化権市場(小売金額ベース)は前年度比101.2%の1兆2,540億円、版権市場(契約金額ベース)は同102.4%の1兆2,800億円となり、商品化権市場、版権市場ともにプラス成長となった。

https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2470 (プレスリリース)

コロナ禍以前の2020年年度についての報告ではあるが、キャラクターの知的財産利用は確実に伸長してきている。コロナ禍の影響をどれだけ受け、今後市場がどうなっていくのか注視したい。

エンタメ業界の宿命の一つとして挙げられる“飽き”を少しでも減らすためには、キャラクターの知的財産を利用した価値向上が必要であることは明らかである。

第一次ソースの原作だけでなく、さまざまな媒体に組み込めば、よりキャラクターに対する情報の鮮度を保てるからだ。

取り上げた調査結果では、「刀剣乱舞」を例に挙げている。「刀剣乱舞」の原作はスマートフォン用のゲームアプリだが、舞台化が進んで2.5次元俳優が多く関わってくるようになった。

そうなると、俳優ファンへの認知が広まり、舞台の人気がアプリの人気を上回る逆転現象を引き起こしている。

今後の見通し

コロナ禍によるステイホーム推奨期間見通せないため、前述した舞台化や劇場化には先行き不透明な部分が多い。

しかし、在宅時間の増加に比例して定額制動画配信サービスへの加入数は増加している。そのため、これまで対象外だった一般層にまで作品を認知してもらえるチャンスが増えたのは、プラス面であると言えるだろう。

今後も引き続いてキャラクターが持つ価値は重要であり、いかにしてその価値を向上させていくのか、作品認知度向上のためのがポイントとなる。

まとめ

メディアミックスは最近見つかった手法ではない。日本でいえば、メディアミックスを果たした最も古い作品は、「鉄腕アトム」と言われている。

当時はお菓子メーカーとコラボして、「鉄腕アトム」のキャラクターイラストを使用したお菓子が販売され、それが子供たちの心をくすぐって、売り上げにつながったという。

現代は、さまざな情報が溢れており、伝えたい情報が埋もれてしまうが当たり前の時代だ。

いかにして生き残るか? その問いに対する解は、あらゆる層を取り込み、飽きさせないような仕組みを作ることではないだろうか。

参考文献:なぜ日本は〈メディアミックスする国〉なのか

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