先日ニュースでファスト映画という単語が出てきました。ファストは綴りがfast、意味は速いだからスピードの速い映画……つまり要約動画ですね。

「ファスト映画」は、映画全編をアップするとは違って、1つ1つの行為は軽微に見えるものの、引用の範囲を超える、明らかな著作権侵害であり重大な犯罪です。

NHKニュース7放送、「ファスト映画」取材について

引用とは自分の意見を説明するために他の文章を利用する行為であり、引用部分が明らかに本文とは少ない場合に限り許される行為です。

現代人は時間に追われがちなので短時間で内容を理解する必要があります。

よくインフルエンサーが動画を2倍速以上で見ろというのは、インプットに時間をかけても稼げないから必要以上にするなと断言しているからです。

それを間に受けた信者たちが言いつけを守って動いているというわけです。

今回は昨今の倍速閲覧が当たり前になりつつある事実を踏まえてファスト映画について語っていきます。

この記事を読めば少しは著作権や著作権者の気持ちが分かるかもしれません。

ファスト映画は何が問題なの?

CODAが判断した通り引用範囲を超えて内容、映像、画像や音声などを無断利用していることが問題です。

今までも著作権侵害は幾度となく問題になりましたが、今回の場合は被害が甚大です。

理由は不特定多数の人が閲覧できるプラットフォームで他人が作ったものを無断で公開しているからです。

ファスト映画の動画は10分前後が多く、映画館で2時間も見続けなくていいというのが権利侵害者の言い分です。

確かに動画や自身が録画した番組、借りてきたDVDやブルーレイなら倍速視聴は問題ないでしょう。

しかし動画自体が誰でも閲覧可能でオープンなYoutubeで不特定多数にあること、閲覧され視聴者は満足してしまう可能性があります。

その結果劇場に足を運ばない、もしくはDVDやブルーレイを購入しなくなることから、ファスト映画は著作権者側にメリットがなく、被害損失を被っているだけの状態になります。

それでいて著作権侵害をした動画投稿者は広告収入を得るというおかしな仕組みが成立します。

シネマ関係者や映画ファンからすれば愚かな行為としか思えず、底の浅い人が増えたと指摘されても仕方がないでしょう。

CODAとは一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(Content Overseas Distribution Association)の略称。

海賊版撲滅や著作権実態調査などを取り行っています。

ファスト映画の歴史

ファスト映画のはじまりは古の時代・ニコニコ動画が流行っていた頃のMADやゲーム実況にさかのぼるのではないかと私は思います。

ニコニコ動画が全盛期の時代でも無断で本編映像を利用し、面白おかしく動画編集をしている人が多かったです。

その結果、テレビアニメがオンエアされると冒頭で「アニメを無断アップロードしないでください」の警告メッセージが表示されるようになりました。自業自得ですね。

ニコニコ動画全盛期の時と現在との違いは、YouTubeのように広告収入ゲットを目的にしているというよりも、目立つことや面白おかしくするためだけに動画をアップする人が多いことです。

投稿者の目的意識がだいぶ異なります。ニコニコ動画はどちらかと言えば創作系の動画が多かったです。

ファスト映画が駄目なら要約動画も駄目じゃないの?

ビジネス書や漫画の要約も著作権侵害行為とみなされる可能性はあります。

本の要約動画は、一部の画像を切り抜きつつ内容をYouTuber本人もしくはプロに任せて伝える動画です。

ただしこちらの場合は、書籍のスキャンをそのまま画面にアップする行為でなければ見逃されるかもしれません。

ファスト映画のように本編画像がないと文章やセリフの引用をしたとしても、一部を引用しただけでは想像しにくい部分があるからです。

よって本の要約もファスト映画と同様黒か、もしくは黒だけど著作権者が訴えていないだけのグレーゾーン状態だと推測されます。

ゲーム実況動画は違反じゃないの?

すべてのジャンルではありませんが、最近はゲーム会社が範囲を決めてゲーム実況を認めている場合があります。

例えば体験版の範囲なら実況してもいいですよとか第一章までなら映してもいいよと許諾している場合は問題ありません。

もしくはVtuberなどに宣伝してもらう目的でゲーム会社側から依頼を受けて実況を流す動画もあります。

しかしストーリー重視のゲームの場合は、動画配信をほぼ認めていません。

ノベルゲームの要約動画を作ろうとしている方はやめておいた方が無難です。

まとめ

著作権者側が違反だと言えば著作権侵害行為と認められます。

ブログでもそうですが、感想と称して中身を全てネタバレする行為は愚かな行為です。

一人一人が気をつけて著作権者を大切にしなければ、新たな文化が途絶えることになります。

引用範囲を超えての著作権侵害行為はやめて、お互いwin-winの関係になれるよう気をつけましょう。